謎の黒狐

少々遅くなったが先日の「一日バードウォッチングツアー」で、
今シーズン初めて流氷砕氷観光船おーろらに乗船した。
残念ながら流氷は岸から離れていて、流氷原に入るまで少々時間が掛かったが、
久しぶりにおーろらから見た流氷はとても気持ちが良いものだった。
おーろらから下船した後、ある場所から氷海の海鳥を観察した。
その海鳥観察中に、接岸した流氷の上をさまよい歩く黒い動物がいることに気が付いた。
その黒い動物をフィールドスコープで確認してみると、
まるでタヌキのような色をしたキツネだった。
それはオホーツク圏ではよくギンギツネと呼んでいる、
滅多に出会えない珍しいタイプのキツネだった。
私はこれまでにほんの数回、この黒いキツネに出会ったが、
このキツネが何者なのかよくわからない。
図鑑などで調べてみると、キタキツネの基亜種であるアカギツネには黒化型のものがあり、
そういった個体をギンギツネと言うそうだ。
写真を見ると真っ黒の毛に包まれた、とても美しいキツネである。

今回見た個体もそうだが、私がこれまでに見た黒いキツネは、
どれもみな真っ黒の中に赤茶色の毛が混じっていた。
いずれも図鑑などで見たギンギツネのように完全に真っ黒にはなっていなかった。
噂ではオホーツク圏の飼育施設から、過去に逃げ出したギンギツネがいるらしい。
もしかするとそのギンギツネの末裔が、
オホーツク圏で稀に出会う黒いキツネの正体なのかもしれない。
実際、私が2年前に見た黒いキツネは、私の目の前で普通のキタキツネと交尾した。
この時の黒いキツネはその後見つけることが出来なかったが、
きっと黒い遺伝子は確実に受け継がれているに違いない。
それとも・・・キタキツネにも稀に黒化型が生じるのだろうか?
写真上:流氷砕氷観光船おーろらから見た流氷
写真下:黒いキツネとキタキツネの交尾(2006年2月)




