冬蝉

週末のオホーツクは吹雪模様の厳しい天候だった。
その吹雪を起こした低気圧は東に抜け、
天候は次第に回復しつつあり、今日の網走では青空が広がった。
しかし、まだまだ等圧線の幅は狭く、
今日も北西からの痛い風が続いていた。
それなのに、初めての「流氷の日」だった昨日に引き続き、
今日も網走周辺ではほとんど流氷は見られなかった。
残念ながら辛うじて遥か沖合いに薄い氷域が見えただけだった・・・。
私が子供の頃の2月のオホーツク海といえば、
青い海面など全く見られないのが当たり前だった。
当時まるで白い大陸のようだった海原は、
いまやそのほとんどが青黒い海面と化している。
今年の流氷も接岸直後は良かったが、
現在はあまり良い状況ではない。
オホーツクには春夏秋冬に加えて「流氷期」の5つの季節があると、
私は個人的に思い続けていた。
1月下旬から3月一杯頃まであったその季節も、
悲しいことに今は1ヶ月以上短くなってしまっている。

話は全然変わってしまうが、
先日歩いた林のカラマツに、エゾハルゼミが張り付いていた。
このセミはその名のとおり、春に命を燃やす昆虫である。
オホーツク圏では6~7月頃に、
涼やかな声を響かせている姿をよく目にする。
そんなセミが2月の今、カラマツの幹に張り付いていた。
言うまでもなくその命は尽きている。
しかし、他の生物に食べられることも、
風雨雪に飛ばされることもなく、
少なくとも半年以上この場所に張り付いていたことに驚かされる。
そのセミの死骸の近くの雪面には、
セッケイムシ(クロカワゲラ科の1種)が川の上流を目指して歩き始めていた。




