寝姿

網走周辺ではフクジュソウの花がピークを迎えたようだ。
あちこちで輝くような黄色い花が咲き乱れている。
そして、その黄色い花の周りには、
アズマイチゲの白やエゾエンゴサクの淡い青色が添えられはじめた。
気温も上がり春の花がぐっと増えたせいだろう。
今日はフクジュソウの薄黄色の花粉を付けたハナアブをよく見かけた。
残雪が残るこの時期は、ハナバチなどの姿はまだまだ少ない。
フキノトウやフクジュソウなどの早春の花にとって、
小さなハエやハナアブの仲間は、
おそらく子孫を残すための重要なパートナーなのだろう。

春の匂いを探りながら林を歩いていると、
崩れかけた朽木の中に何やら黒い物体が埋まっているのを、
一緒に回っていた仲間が見つけてくれた。
近寄ってよく見ると、立派なコクワガタの雄だった。
どういう理由で朽木が崩れたのかはわからないが、
きっとこの状態で厳冬期を乗り切ったのだろう。
しばらく寝姿を見させてもらったあと、
上に枯れた樹皮をそっと被せて、私は今日の活動を終えた。




